かつて泥臭い産業資材の街だった常滑に、いま若手陶芸家やクラフトマンが次々と移住している。廃業した窯元や古い納屋をリノベーションした工房兼ショップが路地のあちこちに暖簾を掲げ、新しい風を吹き込んでいるのだ。
彼らが作る器は、常滑特有の赤い朱泥(しゅでい)の伝統を受け継ぎつつも、現代の多様な食生活にマッチするミニマルでモダンなデザインが多い。作家本人と直接言葉を交わしながら、手のひらにしっくり馴染む一客を選び出す。大量生産・大量消費の時代を経たからこそ、こうした一点物の器と出会う体験が贅沢に感じられる。