『モナ・リザ』が就職活動に悩んだり、『風神雷神図屏風』がデートの待ち合わせをしていたり。古典名画の主人公たちに人間味あふれるドラマを与えるアイデアは、発表当初から激しい衝撃をもって受け止められた。敷居が高いと思われがちだった美術鑑賞のハードルを、彼はたった数分間のキャッチーな歌とアニメで一気に引き下げて見せたのだ。
教科書に載っている名画が、どこか身近で愛おしい存在に変わる瞬間。子供たちが口ずさむフレーズを聞いた大人が、思わず原画の解説文を読み返す。この知識の逆輸入現象こそが、彼が起こした文化的なイノベーションの真髄と言える。