一方で、時間の経過は残酷だ。鹿浜の街並みもこの10年で少しずつ姿を変え、当時を知る住民の高齢化や転出が進んでいる。「あの時のことは、もう思い出したくもない」と語る近隣住民も少なくない。事件の風化は、捜査機関にとって最大の敵である。
しかし、風化に抗うように、地元有志による情報提供の呼びかけは今も細々と続けられている。ネット上のコミュニティサイトやSNSでは、今回の新展開を受けて再び事件に関するスレッドが立ち上がり、当時の不審者情報などが書き込まれ始めている。デジタル空間に残された断片的な記憶が、パズルの最後のピースを埋める鍵になるかもしれない。