浴室の床に発生する黒ずみの主犯格は、一般に黒カビと呼ばれる「クラドスポリウム」という真菌だ。空中を浮遊する胞子が温かく湿った床面に付着し、皮脂成分を栄養源として菌糸を伸ばしていく。表面的に洗い流したように見えても、素材の奥深くに菌糸が残っていれば数日で再び黒い斑点が浮き上がってくる。
この菌糸を根絶するために最も有効な化学的手段が、次亜塩素酸ナトリウムによる強力な酸化作用だ。成分が真菌のタンパク質構造を瞬時に破壊し、色素を漂白する。ただし、水滴が残ったまま散布すると成分が薄まり効果が半減するため、施工前に床面を完全に乾燥させることが科学的な成功の鍵となる。