長崎を語る上で外せないのが、江戸時代の異国情緒を現代に伝える「卓袱(しっぽく)料理」だ。円卓を囲んで大皿料理を分け合うこのスタイルは、もともと個室や広間で味わうのが伝統であり、現代の個室ランチブームにおいても揺るぎない存在感を放っている。
近年では、老舗料亭が「昼の少人数利用」に向けたプランを大幅に拡充。和室にテーブルと椅子を配置した「和洋折衷個室」を導入する店舗が増えたことで、正座が苦手なシニア層や海外からの観光客でも膝を痛めずにゆったりと伝統の味を楽しめるようになった。「御鰭(おひれ)」から始まるフルコースはもちろん、昼限定のコンパクトな卓袱御膳を提供する店も増えており、格式の高さを保ちつつも心理的なハードルが大きく下がっている。