なぜゆっくり食べることが体に良いのか。その理由は、脳の満腹中枢が作動するまでの「時間差」にある。食事を始めてから、脳が「お腹がいっぱいだ」と認識するまでに約15分から20分かかるとされる。早食いの人は、このシグナルが届く前に必要以上のカロリーを摂取してしまうのだ。
一方、一口ごとにしっかりと噛み、時間をかけて食事を進める人は、必要最小限の量で自然な満腹感を得ることができる。消化管ホルモンであるコレシストキニンやGLP-1の分泌が促され、血糖値の急激な上昇も抑えられる。科学的な視点に立てば、遅食は最もリスクの低いダイエット法であり、生活習慣病予防の特効薬でもあるのだ。