2026年現在の広島駅周辺は、かつての雑多な飲食街の面影を残しつつも、洗練されたモダンな空間が同居する独特の熱気に満ちている。新幹線口から徒歩0分という圧倒的な利便性を誇る駅直結の商業施設「ekie(エキエ)」内のバルエリアは、夕刻を過ぎると出張族と地元客の熱気に包まれる。だが、本当に酒通たちが目指すのは、その一歩奥にある穴場だ。
改札を出て徒歩3分圏内の高架下や、南口の路地裏には、ガイドブックには載らない隠れ名店が点在する。たとえば、瀬戸内海の朝獲れ魚介をそのまま刺身や天ぷらで出す大衆酒場や、店主こだわりの小鉢と地酒を角打ちスタイルで楽しませる立ち飲み屋。終電直前まで広島名物をフルコースで味わえるのも、この立地ならではの強みだ。出張や観光で「時間がないけれど絶対に失敗したくない」という夜、地元の常連たちがカウンターの端で静かに杯を傾ける店こそ、選ぶべき真の名店と言える。