賑わいを取り戻した夏の風物詩、隅田川花火大会の会場。色とりどりの着こなしで行き交う人々を観察すると、ひとつの大きな変化に気づかされる。かつて主流だった小ぶりな巾着バッグを手に持つ人の姿は影を潜め、竹や麻、あるいは上質なレザーをあしらった大容量のバッグを肩や肘にかけたスタイルが急増しているのだ。
特に目を引くのは、Instagramなどの画像共有プラットフォームで「#浴衣コーデ」として投稿されるスタイリングの変容である。スマホの予備バッテリーや熱中症対策グッズを持ち歩くことが当たり前となった現代において、従来の小さな手提げではあまりにも力不足。見た目の情緒と現代社会における現実的な利便性。この二つを両立させた結果としての「トート」選択は、必然的なトレンドの帰結と言える。