長堂に足を踏み入れてまず圧倒されるのが、ひな壇状に整然と立ち並ぶ1001体の木造千手観音立像だ。この壮大な寺院は、平安時代末期の長寛2年(1164年)、院政を敷いていた後白河法皇の発願により建立された。その莫大な建設資金を全面的に資拠し、工事を強力に推し進めたのが武家社会の台頭を象徴する平清盛である。
権力者の思惑と巨万の富が投じられて完成したこのお堂は、本山である天台宗寺院の妙法院の管理下に置かれ、現在も同院の誇る大古刹として歴史を紡いでいる。当初の建物は建長元年の火災で焼失したものの、復興への情熱は途絶えることなく、現存する本堂と仏像群の多くが鎌倉時代に見事に再建された。