『悪魔くん』という作品の誕生は、1960年代にさかのぼる。貸本漫画としてスタートし、その後「月刊少年ガロ」や「週刊少年マガジン」など、掲載媒体を変えながら幾度もリメイクされた。水木しげるが描いた初期の悪魔くんは、社会への反骨精神や一握りの天才少年が理想郷「千年王国」を建設しようとする社会派ダークファンタジーの趣が強かった。
「月刊少年ガロ」に掲載された異色作群に見られるように、水木が提示した悪魔や魔族は、西洋の悪魔学と日本の妖怪文化が融合した奇妙な生々しさを備えていた。その系譜の延長線上に生まれたメフィスト2世は、おどろおどろしい魔界の住人でありながら、現代社会の世俗的な欲望や哀愁を体現するキャラクターとしてブラッシュアップされたのである。水木特有のユーモアと残酷さが同居する世界観において、2世の存在はシリアスとコメディを繋ぐ不可欠な懸け橋であった。