幼少期の公園で差し出された手。それがすべての始まりであり、すべての呪縛だった。無個性でありながら他者を助けようとする出久の姿に、幼き勝己は強烈な恐怖と屈辱を感じていた。己の優位性を証明したい爆豪と、どれほど拒絶されても泥臭く追いかけ続ける緑谷。少年漫画の歴史を見渡しても、ここまで歪で、かつリアルな葛藤を描いたライバル関係は珍しい。
仮免試験直後の激突で見せた涙の殴り合いは、大きなターニングポイントだ。憧れの存在だったオールマイトを引退に追い込んでしまったという罪悪感を爆発させる勝己に対し、出久は「全てを受け止める」覚悟で全力を叩きつけた。拳を交えることでしか吐き出せなかった本心がぶつかり合い、初めて二人の視線が水平に交わった瞬間だった。