花輪くんの華やかな大金持ちエピソードや、丸尾くんの強烈なアピール合戦と比較すると、とくちゃんの立ち位置はきわめて控えめだ。自己主張を押し通すことはない。しかし、彼が画面に現れるだけで、不思議と画面全体の空気がやわらぎ、心地よい温もりが広がるのを感じた人も多いはずだ。
家業である花屋の仕事を進んで手伝う、心優しい少年。自分の損得よりも他人の喜びや寂しさにそっと寄り添うその姿は、賑やかな教室におけるオアシスのような役割を果たしていた。まる子との関わりも、過度な掛け合いではなく、ふとした瞬間に互いの優しさを通わせ合う繊細なものとして描かれていた。