では、アイメイクを一切施さずに、いかにして「手抜き」ではなく「垢抜けた印象」へと昇華させるのか。トップヘアメイクアップアーティストの河北裕介氏は、目元の魅力を最大限に引き出す鍵は「顔全体の立体感と血色感のコントロール」にあると指摘する。目元に色を乗せない分、顔の他の要素とのバランスを極限まで計算し尽くすことが、すっぴん風でも圧倒的に盛れる秘密のコツだ。
プロが実践する独占テクニックの第一歩は、丁寧なスキンケアとベース作りにある。資生堂の最新スキンケアラインに代表されるような高保湿ケアで肌のキメを完璧に整え、光を美しく反射させるツヤ肌を仕込む。目元にカラーを置かないため、目周りのくすみや色ムラはコンシーラーでスポット補正し、清潔感を底上げしておくことが不可欠となる。
続いて重要なのが、骨格を際立たせるアイブロウとシェーディングの設計だ。眉毛は一本一本の毛流れを立ち上げるようにシアーな眉マスカラで整え、アイホールには肌馴染みの良いスキンカラーでかすかな影だけを落とし込む。まつ毛はビューラーで根元からしなやかに立ち上げ、クリアマスカラで束感とツヤを与えるのみ。この緻密な「仕込み」によって、目元そのものが持つ眼力と陰影が引き出され、ノーメイク特有のぼやけた印象を完全に回避できる。
仕上げには、リップやチークに温かみのある血色感をしっかりと差す。目元が無彩色だからこそ、唇の質感や頬の控えめなツヤが鮮烈なコントラストを生み、顔全体にモダンな華やかさが宿るのだ。