「病気になってから治す」医療から、「病気にならない身体を作る」予防医療へのシフトが、この年代のQOL(生活の質)を飛躍的に向上させた。ウエアラブルデバイスによるバイタルデータの常時モニタリングや、遺伝子解析に基づいた個別最適化フードの導入など、科学的アプローチを取り入れたセルフケアがすっかり定着している。
フィットネスクラブでも、シニア専用のパーソナルトレーニングが盛況だ。筋力低下の防止にとどまらず、登山やフルマラソンへの挑戦といった目標を掲げ、若顔負けのトレーニングに励む姿が見られる。
肉体的な若々しさと長年の人生経験が融合した時、これまでにない力強い「個人」が誕生する。健康寿命の延伸は、単なる寿命の長さではなく、人生の密度そのものを高めている。