京都屈指の観光エリアにありながら、門を一歩くぐれば都会の喧騒が嘘のように消え去る無鄰菴。無鄰菴が現在これほど高い評価を受ける最大の要因は、徹底した入場枠の管理にあります。観光公害(オーバーツーリズム)が課題となる京都において、無鄰菴はいち早く30分ごとの定員制(事前予約優先)を敷き、庭園内に滞在する人数を厳格に制限しました。
これにより、従来の観光名所にありがちな人の波に視界を遮られることなく、鳥のさえずりや小川のせせらぎにじっくりと耳を澄ませる贅沢な時間が約束されています。山県有朋が意図した「自然そのものを写し取る」という空間哲学を、まさに当時の空気感のまま体感できる仕組みこそが、本物を求める大人の旅人を惹きつけてやみません。