ミルクボーイが提示した漫才の構造は、一見すると極めてシンプルなリフレインに見える。「オカンが忘れた好きな朝食の名前」を探るという無害な日常会話から始まり、「コーンフレーク」という具象名を軸に、肯定的描写と全否定のツッコミを交互に繰り出す手法だ。しかし、その内部に組み込まれたロジックは極めて緻密だった。
審査員の松本人志氏は、かつて異次元の構成力とテンポで大会を席巻したコンビたちの系譜を引き合いに出しつつ、ミルクボーイの「発明」に目を見張った。行ったり来たりの往復構造の中に、誰もが共感できる偏見とあるあるネタを絶妙な比率で配合する技術。一見愚直な駒場孝のフリと、爆発力のある内海崇の咆哮のようなツッコミ。このフォーマットの完成度こそが、審査員全員の点数を極限まで押し上げた真の理由だった。