『裸の大将』を語る上で欠かせないのが、主人公・山下清を全身全霊で体現した歴代キャストの存在です。
昭和版の顔である芦屋雁之助さんは、舞台劇『裸の大将放浪記』での大成功を経て、1980年から1997年まで全83話にわたり主演を務めました。太鼓腹に坊主頭、独特の吃音交じりの語り口は、日本中の誰もが「山下清=芦屋雁之助」と錯覚するほどの圧倒的なハマり役となりました。実弟である芦屋小雁さんとの掛け合いも含め、泥臭くも温かい昭和の人情喜劇を確立した立役者です。
一方、2007年からフジテレビ系の単発ドラマとしてリメイクされた平成版では、お笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雅さんが二代目・山下清役に大抜擢されました。偉大すぎる先代の影に当初はプレッシャーも囁かれましたが、塚地さんは芦屋雁之助さんの魂をリスペクトしつつ、持ち前の高い演技力で現代風の愛されキャラを好演。見事にシリーズを成功させ、現在に至る実力派俳優としての地位を決定づけました。