西海岸のスケートスタイルを語る上で、1970年代のサンタモニカおよびヴェニスビーチ周辺、通称「ドッグタウン」の歴史を外すことはできない。干上がったスイミングプールでアグレッシブな滑りを披露した伝説のチーム「Z-ボーイズ」の存在が、すべての始まりだった。中でも伝説的スケーターであるトニー・アルヴァが見せた、サーフィン由来の低い姿勢とワイルドなスタイルは、当時の若者文化を劇的に塗り替えた。
彼らが身にまとっていたカットオフされたジーンズ、ボロボロのスニーカー、そして日焼けした肌は、反逆精神のアイコンとなった。ドッグタウン・アンド・Z-ボーイズのドキュメンタリー映画でも描かれた通り、彼らのスタイルは単なるファッションではなく、生き様そのものだったのだ。その反骨精神は、半世紀を経た今もストリート・ファッションの底流に脈々と受け継がれている。