日本国内には個性豊かな茶産地が存在しますが、その双璧をなすのが静岡茶と宇治茶の評判です。それぞれの気候風土と職人技術の違いが、際立つ個性となって表れています。
全国トップクラスの生産量を誇る静岡県では、茶葉を通常より長い時間蒸気で蒸し上げる「深蒸し茶」が発展しました。茶葉の細胞が壊れることで粉末状になり、水色(すいしょく)は濃いエメラルドグリーンに染まります。渋みが抑えられ、まろやかで力強いコクと甘みを楽しめるのが静岡茶最大の魅力です。
対する京都府の宇治茶は、800年以上の伝統を誇る日本茶の原点です。山間部の昼夜の寒暖差と霧が上質な茶葉を育み、主に高級煎茶や玉露、抹茶の生産で圧倒的な評価を誇ります。宇治茶の特徴は、透明感のある黄金色の水色と、覆い香と呼ばれる上品で奥深い旨味の余韻です。近年では鹿児島県の「知覧茶」など温暖な気候を活かした早生品種もシェアを急拡大しており、日本の茶文化は産地の多様性によっていっそう豊かな広がりを見せています。