朝靄が立ち込める午前5時。まだ街が眠りの中にいる頃、府中の馬場には乾いた蹄音が響き渡る。選手たちの朝は早い。まずは馬房の掃除から始まり、馬たちの体温測定、脚元のチェック、そして念入りなブラッシングが行われる。
明治大学の馬術部は大正時代に産声を上げた。100年を超える歴史の重みは、部室に飾られた数々のトロフィーが物語っている。しかし、彼らが守っているのは古い慣習だけではない。厩舎の随所には最新の環境センサーが設置され、温度や湿度が馬にとって最適に保たれている。伝統的な職人技とも言える馬との対話に、現代のテクノロジーが静かに溶け込んでいた。