和倉温泉を襲った激震は、海の温泉ならではの複雑な配管網に深刻な爪痕を残しました。七尾湾に面した和倉温泉街では、護岸の崩壊や道路の亀裂が多発し、地下約1,000メートルから湧き出る高温の源泉を各旅館や総湯へ届ける集中配管システムが寸断される事態に陥りました。
復旧作業においては、単に壊れた箇所を直すだけでなく、将来的な災害リスクに備えた「耐震型フレキシブル配管」への刷新や、源泉井戸の再点検・揚湯ポンプの更新といった大規模な土木・設備工事が不可欠でした。七尾市と和倉温泉連合町会が一体となり、瓦礫の撤去から地下インフラの再構築まで段階的なロードマップを着実に遂行してきた経緯があります。
「湯の街・和倉の心臓部を止めるわけにはいかない」という技術者や地元事業者の執念が、困難を極めた復興工事を前進させる原動力となりました。