「あらゆる人が利用できるように環境や製品をデザインする」。1980年代にアメリカの建築家ロナルド・メイスが提唱したユニバーサルデザインの7原則は、日本の日用品開発に深く息づいている。障害者だけを対象とした特殊な「福祉用具」を作るのではなく、最初から「すべての人の使い勝手」を考慮する思考転換がそこにはあった。
現在、この思想はさらに一歩進んだインクルーシブデザインへと進化している。開発の初期段階から多様なバックグラウンドを持つ当事者をチームに招き入れ、共創型でプロダクトを磨き上げる手法だ。シャンプーボトルにおいても、手の筋力が低下した人や片手しか使えない人でも容易にプッシュできる低負荷ポンプ構造など、製品設計の前提そのものが書き換えられている。