長年、正中線のブレと浅い吸気が走者のスタミナを削ってきた。箱根駅伝で数々の名選手を育て上げた元監督が提唱するのは、腹式呼吸をベースにした「2吸い・2吐き」の一定リズムではなく、横隔膜を広く使う胸腹連動型の呼吸アプローチだ。息を無理に吸い込む意識を捨て、肺の中の二酸化炭素をしっかりと押し出すイメージで吐き切る。これだけで酸欠状態による急激な失速を防げる。
フォームにおいては着地衝撃の分散が鍵を握る。足裏全体で着地するミッドフットを意識しつつ、上体をわずかに前方へ傾ける。理想的な前傾角は5度から7度。重力を前方への推進力へとスムーズに変換する感覚を掴めば、脚の筋力消費を最小限に抑え、後半の劇的なペース維持が可能になる。