ピッチ上では冷徹なストライカーとして相手を恐怖に陥れる木下だが、一歩ピッチを離れれば穏やかな笑顔を見せる好青年だ。指導にあたる監督は、彼の人間性について次のように語る。「誰よりもグラウンドに早く入り、誰よりも遅くまでボールを蹴っている。声でチームを引っ張るタイプではないが、その姿勢と背中で全員の意識を引き上げる男だ」。
ハーフタイムのロッカールームでも、木下の言葉には独特の重みがあるという。感情的にならず、客観的な事実と具体的なプレーの修正点をチームメイトに伝える。同世代の選手たちからの信頼は絶大であり、彼の一言でチーム全体の集中力が一気に研ぎ澄まされる瞬間が何度もあった。真のリーダーシップとは何かを、彼はその振る舞いで示している。