真選組の実質的な統率者であり、隊士たちから恐れ敬われる土方十四郎。まずはその基本スペックと、彼を形作った原点に迫ります。
土方十四郎の公式プロフィールは、身長177cm、体重64kg、誕生日は5月5日(牡牛座)、年齢は20代半ば(推定27歳前後)とされています。トレードマークである漆黒のV字前髪に鋭い「死んだ魚のような瞳」、くわえ煙草のスタイルは、幕末の動乱を駆ける武士のストイシズムを象徴しています。
彼が「鬼の副長」と呼ばれるに至った背景には、過酷な経歴と生い立ちがあります。豪農の妾の子として生まれた十四郎は、実父の死後に異母兄である為五郎に引き取られました。唯一自分を温かく迎えてくれた兄を深く慕っていましたが、ある日家が暴漢に襲撃された際、兄は両目を奪われてしまいます。逆上した幼き十四郎は暴漢たちを凄惨な形で撃退するものの、その凶暴性から親族から忌み嫌われ、家を飛び出して荒れた生活を送る「悪童」へと身を落としました。
そんな彼を拾い上げ、人間としての光を与えたのが天然理心流道場の跡取り・近藤勲でした。近藤の器の大きさに惚れ込んだ土方は、生涯をかけて彼を支えることを誓います。真選組結成後は、荒くれ者揃いの組織を統制するため、違反者は即切腹となる「局中法度」を制定。自らが泥をかぶり、冷徹無比な悪役に徹することで近藤を「絶対の象徴」へと押し上げたのです。
また、戦闘において彼が振るう愛刀・妖刀村麻紗(むらまさ)も重要な要素です。名刀でありながら「オタクの怨念」が宿った呪いの刀であり、土方の運命を大きく狂わせる契機となりましたが、それを力技でねじ伏せて自らの得物とし続ける姿にも、副長としての強靭な精神力が表れています。