ボラティリティが高く収益性が悪化したスマートフォン向けディスプレイからの脱却は、JDIにとって生き残りを懸けた至上命令だった。現在、同社がリソースを集中させているのが、EV(電気自動車)やSDV(ソフトウェア定義車両)の台頭に伴い急成長を遂げる車載ディスプレイ市場だ。
コックピット全体を覆う曲面ディスプレイや、運転席から助手席まで一体化した「ピラー・ツー・ピラー」の大画面パネルにおいて、JDIの技術力は自動車メーカーから高い評価を得ている。完成車メーカーとの長期供給契約は、かつてのスマホ向けのような単年度での急激な需要変動リスクを緩和し、安定したベースロード収益をもたらす。2026年の業績において、車載部門が占める売上高比率は過去最高水準に達しており、事業ポートフォリオの転換が着実に進行していることを物語っている。