池江選手が患った具体的な病名については、当初詳細が伏せられていましたが、後に急性リンパ性白血病(ALL)であることが明らかになりました。血液細胞を作る骨髄の中で、リンパ球になる途中の細胞ががん化し、正常な血液を作れなくなる重篤な疾患です。
入院先の専門病院で開始されたのは、集中的な抗がん剤治療でした。しかし、標準的な化学療法だけでは完全な寛解状態を維持することが難しかったため、医師団と協議を重ねた末、根治を目指して造血幹細胞移植(骨髄移植・末梢血幹細胞移植など)の実施が決断されました。
造血幹細胞移植は、移植前に強力な抗がん剤や放射線で自身の骨髄細胞をすべて破壊し、ドナーから提供された正常な幹細胞を点滴で体内に注入する治療法です。激しい副作用や感染症のリスク、拒絶反応と隣り合わせの極めて過酷な治療を乗り越え、2019年12月に約10か月に及ぶ入院生活を終えて無事退院を果たしました。