彼の演技の土台を紐解くには、1980年代に関西の演劇シーンを席巻した「売名行為」や「劇団そとばこまち」の時代まで遡る必要がある。当時の関西小劇場ブームは、熱気と混沌に満ちていた。即興性、観客との呼吸、そして何よりも「何が起こるかわからない」スリル。
この時期に叩き込まれた身体性と柔軟性が、現在の彼の骨格を作っている。映像の世界に進出してからも、彼の演技がどこか軽やかで、かつ予測不能なのは、舞台という生モノの現場で観客の視線を浴び続けてきたからに他ならない。型に嵌まらない自由さが、彼の最大の武器なのだ。