大沢たかおの進化を語る上で欠かせないのが、彼自身が主演とプロデュースを兼任した『沈黙の艦隊』だ。かわぐちかいじの傑作コミックの実写化は、長年「映像化不可能」と囁かれてきた。その難攻不落の壁を打ち破った立役者こそ、大沢本人にほかならない。
防衛省や海上自衛隊の協力を取り付け、Amazon Prime Videoとのグローバルなタッグを実現。単なる軍事ものにとどまらない骨太のポリティカルサスペンスとして世に送り出した手腕は、映画界を震撼させた。作品を成立させるためのビジネス構築から脚本のディテール選定まで深く関与し、日本のアカデミー賞協会をはじめとする批評家筋からも極めて高い評価を獲得している。プレイヤーでありながら仕掛け人でもある。この二刀流こそ、彼の真骨頂だ。