近年、インターネット上やビジネス界隈で度々議論に上がるのが「茨城県の中心は実質的につくば市ではないのか?」という問いです。筑波研究学園都市として国家プロジェクトで開発されたつくば市は、2005年のつくばエクスプレス(TX)開通以降、東京都心へのアクセス利便性が飛躍的に向上し、急速な人口流入と宅地開発が続いています。
これに対し、水戸市は茨城県中北部の中心都市として長年県内人口第1位を維持してきました。しかし、少子高齢化と東京一極集中の余波を受け、水戸都市圏の人口動態は緩やかな減少・横ばい傾向にあります。一方で、つくば市は子育て世代の転入超過が続き、両市の人口差は年々縮小。2026年代半ばには人口規模において実質的に拮抗する水準へと達しています。
それでも県庁所在地がつづくば市に移転しない決定的な理由は、「歴史的インフラの蓄積」「県内全域への行政アクセスの地理的バランス」、そして「すでに1999年に完了した大規模な県庁舎移転投資」にあります。茨城県は南北に長く、仮につくば市へ県庁を移転させた場合、県北地域(日立市・大子町・高萩市など)からの行政アクセスが極端に悪化するという構造的課題を抱えているためです。