実は、この二人の共演を巡っては、数年前から水面下で何度も企画が立ち上がっては消えていた。スケジュール調整の難しさはもちろんのこと、何よりも「前作を超えるクオリティでなければ意味がない」という二人の強いこだわりが壁となっていたからだ。
今回、その壁を突き崩したのは、監督が提示した一通のプロットだった。それは、従来の日本のドラマの枠組みを大きく超えた、ダークで容赦のない人間ドラマ。これを見た小栗が「これなら、石原さんと心中できる」と漏らし、石原もまた「この役なら、私のすべてを捨てて挑める」と即答したという。まさに、奇跡的なタイミングと情熱が合致した瞬間だった。