時計の針を2017年に戻してみよう。当時、彼女は複数の映画やバラエティ番組を抱える売れっ子だった。それらをすべて放り投げる形での「出家」は、当然ながら業界に大混乱を招いた。数億円規模とも言われた違約金の発生、撮影中だった映画の代役立て、そして事務所との泥沼の契約交渉。芸能界の「奴隷契約」とも称された労働環境が、彼女を追い詰めた一因であることは否定できない。
「月給5万円だった」「死にたかった」という彼女側の主張と、事務所側の反論。泥仕合の末に勝ち取った「自由」の代償は大きかった。この事件を契機に、日本の芸能界におけるタレントの権利やメンタルケアの重要性が叫ばれるようになったのは、皮肉な功績と言えるかもしれない。