室伏広治を語る上で欠かせないのが、父であり元ハンマー投げ日本記録保持者の室伏重信の存在だ。「アジアの鉄人」と呼ばれた父の背中を追い、幼少期から英才教育を受けたわけではない。むしろ、多角的な身体能力を伸ばす独自の環境で育ち、才能を開花させた。
中京大学に進学後、彼の才能は一気に覚醒する。科学的なトレーニング理論と圧倒的な身体能力を融合させ、従来の日本人の常識を覆す投擲技術を確立していった。中京大学の恵まれた環境と熱心な指導陣の支えを受け、彼は日本陸上界の歴史を塗り替える怪物へと成長を遂げたのである。