事件処理の決定的な転換点となったのが、長崎家庭裁判所において実施された数ヶ月間に及ぶ本格的な精神鑑定である。専門医らで構成された鑑定チームは、脳の機能的要因や心理的病理を多角的に分析。その結果、自閉スペクトラム症(ASD)の特性とともに、重大な他害行為へ結びつく重篤な精神病理が存在することが認定された。
家庭裁判所の少年審判において、裁判官は検察官送致(逆送)による刑事裁判ではなく、医療少年院への送致を選択した。刑務所での服役では彼女の病理を改善させることは到底できず、むしろ社会防衛の観点からも専門的な精神医療施設で徹底的な治療と隔離を行うことが最善であると判断されたためだ。この判断は、当時の少年司法における苦渋の選択として深く刻まれている。