『中国嫁日記』は、単なる夫婦のコミックエッセイにとどまらない。実は、経済や社会情勢に対する鋭い視線が張り巡らされた、高度な社会派作品としての側面も持ち合わせている。
作中では、中国の急激な経済成長、物価の上昇、現地でのものづくりや製造ラインの変遷、さらには日中間の貿易やオタクビジネスの裏側に至るまで、極めて具体的かつリアルな情報が描かれている。井上純一の実業家としての知見と、月さんの視点を通じた実感が合わさることで、報道ニュースだけでは見えてこない「生きた経済」が浮き彫りになるのだ。
国同士の政治的緊張や文化的な摩擦が存在する中でも、個人と個人の絆やビジネスを通じた協力関係は揺らぐことがない。愛とビジネスが交差する現場をありのままに描いた本作は、国際社会を生きる私たちに重要な示唆を与えてくれる。