本作の大きな魅力は、3人の仮面ライダーがそれぞれの視点で織りなす複雑な群像劇にある。主演の津上翔一役を演じた賀集利樹をはじめ、若きキャスト陣の切磋琢磨は現場の空気を常に熱くさせていた。当時、平成仮面ライダーシリーズはまだ始まったばかりの試行錯誤の時代。現場ではスタッフもキャストも全員が一丸となり、「新しいテレビドラマの形を創り上げる」という熱量に満ちあふれていた。
要潤と賀集利樹の掛け合いは、劇中のギクシャクした関係性とは裏腹に、互いをリスペクトし合う絆によって支えられていた。共演者同士で演技論を戦わせ、撮影後に食事を囲みながら愚痴や夢を語り合った夜の記憶。そうした青臭くも濃密な時間が、演技の引き出しを増やし、ひとりの役者としての骨格を形成していった。