地動の激しさが報じられるたび、人々の脳裏に浮かぶのがSFの金字塔として知られる映画『日本沈没』の惨状だ。作中で描かれた列島全体の壊滅的陥没や急激なプレート移動は一見フィクションの域を出ないように思えるが、現代の地震学・自然災害の研究成果を踏まえると、地学的に全否定できない教訓が含まれている。
地球物理学の視点で見れば、北海道周辺は太平洋プレートが北米プレートの下へと絶え間なく沈み込み、膨大なひずみエネルギーを溜め込み続ける世界有数の地殻変動の最前線だ。パニックに陥る必要はないが、SF的妄想と切り捨てずに地球規模の地殻の営みを正しく恐れる姿勢こそが、最悪のシナリオを生き延びる鍵となる。