画面いっぱいに広がるのは、平和そのものの学園風景。だが、そこに漂う空気はどこか異様だ。風紀委員長を務める我妻善逸の悲鳴のような喚き声が廊下に木霊し、物語は初っ端からトップスピードで転がり始める。
今回の見どころは何と言っても、体育教師である冨岡義勇と生徒たちの理不尽極まりないやり取りだろう。ジャージ姿で竹刀を片手に校門に仁王立ちする義勇は、相変わらず言葉足らずの極みだ。校則違反を取り締まるどころか、理由を説明せぬまま生徒に鉄拳を振るうその姿に、炭治郎は真っ向から食らいつく。ピアスに見える形見の耳飾りを巡る押し問答は、ギャグタッチでありながら二人の妙な信頼関係を浮き彫りにしていた。
さらに後半では、購買の限定パン争奪戦が勃発。猪頭の皮を被った野生児・嘴平伊之助が俊敏な動きで生徒たちをごぼう抜きにし、窓ガラスを蹴破らんばかりの勢いで突進する。短尺ながら一切の無駄がないカット割り。あっという間にエンドロールへと雪崩れ込む構成は見事というほかない。