松田家の表現者魂を語る上で欠かせないキーパーソンが、母であり女優、写真家でもある松田美由紀の存在だ。彼女は夫・優作の意志を継ぎながら、子供たちの個性を何よりも尊重して育て上げた。彼女が設立に関わり、長年にわたり代表を務めた芸能事務所「オフィス作」は、単なるタレントマネジメントにとどまらず、クリエイターたちが自由に才能を発揮するための尖った拠点であり続けている。
この環境があったからこそ、兄弟は安易な商業主義に流されることなく、作品選びにおいて妥協のない姿勢を貫くことができた。「作品の質を第一に考える」というオフィス作のイズムは、二人の仕事に対する厳しさや、独自の作品選定眼にしっかりと根を下ろしている。