牛は4つの胃を持つ反芻(はんすう)動物だ。彼らが草を消化する過程で、胃の中の微生物が水素と二酸化炭素をメタンへと変換する。これがゲップとして大気中に放出される。1頭の牛が1日に出すメタンの量は、なんと数百リットルに達する。地球上に存在する約15億頭の牛が、毎日一斉にこのガスを吐き出していると考えれば、その累積インパクトの凄まじさが理解できるだろう。
二酸化炭素ばかりが注目されがちだが、メタンの寿命は短いものの、短期的な温暖化能力は極めて高い。つまり、今すぐメタンを減らせば、地球の気温上昇を急速に抑えるブレーキになり得るのだ。だからこそ、科学者たちはこの分野に血眼になっている。