1969年、日本の音楽シーンを揺るがす出来事が起こる。グループサウンズの頂点に君臨していた「ザ・タイガース」から加橋かつみが脱退。その穴を埋める形で急遽渡米先から呼び戻されたのが、実兄である岸部一徳(当時は岸部修三)の実弟、シローだった。
大手芸能事務所の渡辺プロダクション主導のもと、楽器演奏の経験が浅いままベースやタンバリンを担当することとなった彼は、ボーカルの沢田研二ら凄まじい人気を誇るメンバーの中で異色の存在感を放つ。どこか冷めたユーモアと圧倒的な高身長、脱力感のあるキャラクターは、熱狂的な熱に包まれていたグループサウンズ界に新鮮な風を吹き込んだ。