現在の熱狂は、一朝一夕に生まれたものではない。かつて「立体怪談」などの革新的な演出で講談界初の人間国宝となった故・一龍斎貞水をはじめ、先人たちが芸の灯を絶やさず守り続けてきたからこそ今がある。
業界を支える二大組織、日本講談協会と講談協会。それぞれが独自の伝統と個性を磨き上げながら、互いに刺激し合っている。双方の流派に所属する演者たちがしのぎを削ることで、古典演目の現代的な解釈や新たな客層の開拓が進んだ。歴史ある二つの協会が手を携え、あるいは切磋琢磨することで、伝統の重厚さと革新的なエネルギーが共存する理想的なエコシステムが形成されている。