大きなターニングポイントとなったのは、設立された新事務所「株式会社MOSS」の発足だ。慣れ親しんだ巨大組織や従来の芸能界の慣習から一歩外へ出ること。それは表現者として自らの責任で作品を選び、制作の深部にまで関わるという強い意志の表れにほかならない。
独立以降、制作の舞台裏での意思決定の速さや、作品選びにおける美意識は際立つようになった。商業的な成功だけに捉われず、真に心を動かすプロットや尖ったクリエイターとのコラボレーションを優先する姿勢。この独立劇の裏には、互いの才能を認め合い、表現者としての純度を極限まで高めようとする二人の密かな合意があった。