興味深いことに、この空間には日本の「借景」や「間(ま)」の美学が深く息づいている。館内各所に配置された庭園設計には、京都の庭師が参加。幾何学的な西洋建築の中に、微妙な影の陰翳と静寂を生み出す日本庭園の技法が落とし込まれている。
さらに、内装に使われている和紙を模した特殊な光拡散パネルや、日本の職人が手掛けた組子細工を思わせる木製格子。西洋のラグジュアリーと東洋の静謐が見事なまでに交錯する。東京からの訪問者が異国でありながらどこか懐かしさを覚えるのは、こうした細部への偏執的なこだわりがあるからに他ならない。