千葉真一の名を世界に轟かせた決定打が、1974年の映画『激突!殺人拳(英題:The Street Fighter)』である。この作品で彼が演じた剣琢磨(つるぎ たくま)は、正義の味方とは程遠い、金で動く冷酷な傭兵。敵の喉笛を掻き切り、眼球をえぐるような過激なアクションは、アメリカで「X指定(成人向け)」を受けるほどの衝撃を与えた。
しかし、その残虐性と表裏一体の、研ぎ澄まされた肉体美と野獣のような眼光に、世界中の観客が熱狂した。ブルース・リーの急逝後、東洋のアクションスターを求めていた世界市場に、「サニー千葉」の名が深く刻まれた瞬間だった。クエンティン・タランティーノ監督が後に『キル・ビル』で彼をキャスティングし、自作でオマージュを捧げ続けたのは、この時期の千葉が見せた圧倒的なカリスマ性に魅了されたからに他ならない。