しかし、最先端の医療アプローチには常に影がつきまとう。最大の懸念は、コストの問題だ。高度な遺伝子解析やパーソナライズされたサプリメント、継続的なコーチングを受けるには、相応の経済的負担が伴う。これが「富裕層だけの長寿化」を招くのではないかという指摘は根強い。
経済力によって寿命や健康状態に格差が生まれる社会は、果たして健全と言えるだろうか。イノベーションが先行する一方で、公的医療保険の適用範囲や、社会的なセーフティネットの再設計といった倫理的・政治的な議論が、技術の進歩に追いついていないのが現状である。