マニラ湾沿いの広大な埋立地に広がるエンターテインメント・シティ。その一角を占めるオカダ・マニラは、世界最大級の噴水ショーや最高級ホテル、広大なカジノフロアを備え、フィリピンの観光産業を牽引するランドマークとなっている。しかし、どれほど施設が絢爛豪華であろうとも、運営主体の信頼性が揺らげば国際的な格付けや資金調達に深刻な支障をきたす。
一連の経営権紛争が市場に突きつけた最大の課題は、企業統治(コーポレート・ガバナンス)の欠如がいかに企業の企業価値を毀損するかという教訓だ。一人のカリスマ創業者の権力集中がもたらしたガバナンス不全は、株主だけでなく現地で働く数千人の従業員や協力企業にも大きな不確実性をもたらした。グローバル水準のコンプライアンス体制を再構築できるかが、リゾートの長期的な生存条件となっている。