現地のチケット争奪戦が激化するなか、ライブ体験のあり方もテクノロジーによって劇的に変化している。近年ではWOWOWやU-NEXTといったプラットフォームによる高精細な生配信が定着し、会場のすり鉢の底で渦巻く熱気を、遠く離れたリビングやスマートフォンの画面へとダイレクトに届けることが可能になった。
マルチアングルカメラが捉えるアーティストの汗、そして頭上を飛び交うヘリコプターの爆音や虫の声まで拾い上げる立体的な音響エンジニアリング。デジタルの進化は、現地に行けないファンの救済にとどまらず、野音という空間の生々しさを再発見する新たな鑑賞体験を生み出している。