彼女の原点を語る上で避けて通れないのが、映画『生きてるだけで、愛。』である。過眠症と躁鬱を抱え、感情のコントロールが効かないヒロイン・寧子を演じた彼女は、日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとする数多の映画賞を総なめにした。
剥き出しの激情をぶつけ、自らの存在意義を探して疾走する姿は、生身の人間の痛々しさと美しさを同時に体現していた。所属する株式会社トップコートの諸先輩たちとも一線を画す、圧倒的な泥臭さと透明感の共存。その核にあるのは、10代の頃に怪我でバレエダンサーの夢を断念せざるを得なかった挫折と、そこから這い上がってきた不屈の精神にほかならない。