彼女の表現の深みは、声優としての卓越した仕事や、映画監督としての実践によってさらに磨かれた。アニメーション映画の金字塔『この世界の片隅に』で見せた魂を揺さぶる声の演技は、彼女が持つ声と言葉の力を世に知らしめた。
さらに、コロナ禍で自ら脚本・監督・主演を務め上げた映画『Ribbon』では、感情の爆発と繊細なリリシズムを見事に映像化してみせた。演じる客体であると同時に、世界を構築する主体でもあること。この複眼的な視点があるからこそ、カメラマンと対峙した際、彼女自身が「光がどう当たり、自分がどう切り取られるか」を本能的に理解し、奇跡的なポージングを連続して生み出すことができるのだ。